減築リフォームはメリットがいっぱい!子どもの巣立ちで見直す住まい

お子さんの就職や進学で巣立つと、夫婦だけが残されます。今まで子どもたちと暮らしてきた家を、広く持て余してしまうもの。広く使えるのはいいけれど、夫婦だけの終(つい)の住み処として見直す方も増えています。
一戸建てを減築リフォームすることで、年老いていく先々を見据えた家に仕上げることができるのです。減築は、建て増しする増築と反対の意味を持つ、建物を減らす工事を指します。
減築リフォームをきっかけに、バリアフリーを取り入れる動きもあり、高齢化社会に対応した対策ともいえるでしょう。
減築についてご紹介します。

  1. 減築リフォームのメリット
  2. 減築リフォームのデメリット
  3. 減築リフォームのポイント
  4. 減築リフォームの費用相場
  5. まとめ

1.減築リフォームのメリット

夫婦だけの生活では、一戸建ての2階部分を使わなくなるケースが多くなります。 マイホームに手を加えることに抵抗がある方やもったいないと思う方もいるでしょう。
減築リフォームには、安全性向上など多くのメリットがあります。第2の人生を夫婦で楽しむために、家の構造を見直すきっかけにもなっているのです。

1-1.耐震性向上

減築リフォームで多いのは、2階建てから平屋にすること。子ども部屋が2階にあり、巣立ったことで使わない部屋ができてしまったことが圧倒的に多い意見です。
平屋は建物の総重量が軽くなり、耐震性が向上するとされています。重たい住宅は、地震があった場合に揺れに弱いもの。大きな家具が2階に残されたままだと、古くなった住宅では床が抜ける不安もあります。地震などの災害への備えとして、住宅環境の見直すこともいいでしょう。

1-2.安全性

耐震性向上により、建物の安全性が保(たも)たれるようになりますが、生活面での安全性もより強化されるのです。
平屋にすると階段がなくなります。年老いてから2階への上り下りが不用になるなど、転落事故を防ぐことが可能です。高齢化により深刻な問題になっている介護。外傷による寝たきりも増加しています。家の中に潜む危険性を少なくする意味で、減築は大変有意義なことだといえるでしょう。

1-3.防犯対策

使わなくなった部屋があると、不審者の侵入経路になりやすい傾向があります。道路から死角になる窓がある場合、気づかないうちに空き巣に入られてしまう恐れもあるのです。
不用な部屋をなくしてしまうことで、目が行き届く広さに作り変え、防犯対策を強化することができます。高齢者は犯罪被害の対象になりやすいので、家の防犯意識は高く持っておいた方がいいでしょう。

1-4.メンテナンスが楽

不用になった部屋は窓を開ける機会も減り、通気が悪くなって部屋の劣化も気になります。住宅全体に影響を及ぼすことも出てくるでしょう。
住宅にはメンテナンスを行うことで、長く快適に使うことができます。家が大きいとメンテナンス費用も膨らみ、減築することでメンテナンス費用削減につながるはずです。
特に、退職後などは余分な出費を抑えたいと考える方がほとんど。減築は、費用削減対策としても有効です。

1-5.バリアフリー化

減築リフォームをきっかけに、バリアフリーにすることができます。トイレ・バスルーム・床などの段差を解消し、高齢になったときの対策を準備する動きも増えているのです。
高齢になっても、住み慣れた家で暮らし続けられるのは、とても幸せなことでしょう。

1-6.固定資産税の軽減

固定資産税は、登記簿にある面積に対して決められるもの。土地面積と住宅の延べ床面積で計算します。
使わなくなった部屋に対して、固定資産税を支払い続けることに疑問を感じる方もいるでしょう。
減築することで面積が減り、固定資産税の負担が軽減されるのは大きなメリットですね。

2.減築リフォームのデメリット

メリットが多い減築ですが、住宅を解体する大掛かりな工事が必要です。費用負担が多いなど、デメリットがあることも知っておきましょう。

2-1.建築費用が高い

減築リフォームは、住宅の一部解体を行います。足場を組んだ工事が必要なため、大掛かりになることもあるでしょう。解体した部分の撤去費用も発生します。
解体は簡単に行えるわけでなく、2階部分を取り除いて慎重に屋根を再構築しなければなりません。新築するより費用は抑えられますが、初期費用は大きいとされています。
家の基礎に不安がある場合、補強工事を伴うこともあるでしょう。

2-2.仮住まい

減築工事を行っている間は、生活の場を一時的に別の場所へ移さなければなりません。仮住まいを用意し、引っ越し費用・仮住まい契約費用・家賃の負担をする必要があります。
工事期間が長くなれば、家賃負担も多くなるでしょう。

2-3.減築した住宅は転売が難しい

2階部分を減築した平屋住宅は、1人もしくは2人暮らしを視野に入れたもの。転売や次世代へ引き継ぐことが難しいケースも多くあります。
住宅ニーズが高いのは、やはりファミリー層を意識した2階建て以上の住宅です。終(つい)の住み処としての役割を終えた後は、取り壊すようになる可能性が高いでしょう。

2-4.通気が悪くなる恐れも

どのような間取りにするかで、通気の良さが変わってきます。平屋の場合、あまり部屋を増やしてしまうと、壁が多くなって風とおしが悪くなることも予想されるでしょう。

3.減築リフォームのポイント

不要な部分を解体撤去する簡単な工事だと思われがちな減築ですが、構造のバランスなどをしっかり検証しながら慎重に行うことが求められます。
必要に応じて、構造の補強や修正を行うことが大切です。精密な構造でできている住宅は、壁の一部を取り払うだけでもバランスを調整しなければなりません。
工事期間も長くかかることもまれにあります。
減築リフォームするときは、間取り・日照条件・通気性・機密性をしっかり考え、専門家とともに計画しながら慎重に進めるようにしましょう。
減築したい目的と得られたいメリットを明確にしておくことも大切です。

4.減築リフォームの費用相場

新築住宅購入・建て替えより、一般的に費用負担が小さいとされている減築リフォーム。工事内容により、費用相場は大きく異なります。
2階の床を取り除いて吹き抜けにする工事なら、50万円程度の予算で工事可能です。しかし、大規模な工事になると1000〜1500万円程度の費用が相場だとされています。
2階部分の解体撤去・屋根の再構築・構造バランスの調整・耐震補強など、大掛かりな工事を行うためです。
減築リフォームにかかる工事のほかに、仮住まいに必要な費用も想定しておくようにしてください。

5.まとめ

子どもの巣立ちと同時に、夫婦だけの暮らしを見直す方が増えています。住み慣れた家を減築リフォームしたいと希望する方は意外と多いのです。

  • 減築リフォームのメリット
  • 減築リフォームのデメリット
  • 減築リフォームのポイント
  • 減築リフォームの費用相場

不要になった部屋を解体撤去し、平屋や吹き抜けにするのが減築リフォームです。 減築リフォームは安全性と耐震性強化・防犯対策でも注目されています。延べ床面積が減ることで固定資産税の負担も減るメリットも。減築をきっかけに、将来を見据えたバリアフリー化を取り入れる動きもあります。
住宅購入や建て替えより費用負担が小さく済むでしょう。しかし、住宅の一部解体撤去した後に屋根の再構築が必要になるなど、大掛かりな工事を要します。工事期間中の仮住まいも必要です。
減築リフォームする目的や得られたいメリットを明確にしておくことが大切でしょう。

え?リフォームでここまで出来るの!?