暖房の効率を上げるポイントは? 暖房器具を使用する際の注意点も
暖房効率を上げるためには、一体何をすればいいのでしょうか。「できるだけ暖房の費用代を抑えたい」「効率を上げて暖かい空間を維持したい」など、暖房の効率化について悩んでいる方は多いはずです。暖房器具の電気代を節約する方法はたくさんありますが、ポイントを把握することが重要となります。
本記事では、暖房効率を上げるポイントなどを解説しましょう。
- 暖房器具にはどんな種類があるのか?
- 暖房効率を上げるポイント
- 暖房器具の電気代を節約するには?
- 暖房器具を使用する際の注意点
- 暖房の効率に関してよくある質問
この記事を読むことで、暖房器具の電気代を抑えるポイントや効率を上げるコツなどが分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。
1.暖房器具にはどんな種類があるのか?
まずは、暖房器具の主な種類をチェックしておきましょう。
1-1.最も使われているのは電気を使用した暖房器具
現在、多くの家庭で使われているのは、電気を使用した暖房器具です。ニクロム線・カーボン・ハロゲンランプなど電気を通すことで発熱する物質を利用しています。電気ストーブは遠赤外線によって対象を暖めるタイプで、風や気温の影響によって暖かさがダウンすることはありません。熱源の違いによって、遠赤外線ヒーター・ハロゲンヒーター・カーボンヒーターなどの種類があります。電気の大きな特徴は、速暖性が高く、機器代金が安く済むことです。しかし、消費電力が大きいというデメリットがあります。
1-2.部屋全体を暖める暖房器具
反射式ストーブ・対流式ストーブ・石油ファンヒーターなどは、部屋全体を暖める暖房器具です。エアコンやファンヒーターといった暖房器具は対流式と呼ばれ、室内に空気の対流を起こすことで部屋を暖めます。素早く暖めることができるのがメリットですが、乾燥しやすく電気代が高くなる点がデメリットです。赤外線ヒーターやオイルヒーターは赤外線で対象物をじんわりと暖め、空気全体を暖めることができます。寒冷地に住んでいる方は、電気を用いる暖房機器と併せてほかの熱源も使うといいでしょう。
1-3.体を直接温めるタイプは省エネ性が抜群
できるだけ消費電力を抑えたい方は、体を直接温めるタイプがおすすめです。ホットカーペットなどは伝導式と呼ばれ、直接触れることで体が温まります。直接触れる部分にしか熱が伝わらないので、部屋全体を暖めるパワーはありません。けれども、その分消費電力を抑えることができるため、エコ意識が高い人におすすめです。
2.暖房効率を上げるポイント
ここでは、暖房効率を上げるポイントを解説します。
2-1.おすすめは違うタイプを組み合わせること
どの過程でも実行しやすい方法としては、異なる種類の暖房器具を組み合わせることです。たとえば、部屋全体を暖めるものと体を温めるものを組み合わせる方法があります。エアコン+ホットカーペット、ファンヒーター+こたつなどを組み合わせることで、それぞれのデメリットをカバーし合うことができるでしょう。また、対流式と輻射(ふくしゃ)式を組み合わせる方法もあります。エアコン+ファンヒーター、赤外線ヒーター+オイルヒーターなど、対流式、輻射式同士の組み合わせは非効率になるのでNGです。エアコン+赤外線ヒーター、ファンヒーター+オイルヒーターといったそれぞれの弱点を補い合う組み合わせにしてください。
2-2.暖房器具の特徴に合わせた設置場所
暖房器具によって、適切な設置場所があることをご存じでしょうか。暖房器具の設置場所を変えるだけでも、暖房効率をグッと上げることができます。基本的に、ヒーターやストーブは窓辺に置くのが理想です。空気は暖められると上昇し、冷やされると下降する特徴があります。そのため、冷気が入りやすい窓辺では常に冷たい空気が床へと流れていくのです。よって、窓辺にヒーターなどを置くことで外から入る冷気をそのまま暖めることができます。冷気が部屋を漂うことなく、暖かさを感じやすくなるのです。
2-3.ファンや扇風機で空気を循環させる
前述したように、暖かい空気は上へとのぼり冷たい空気は下へと下がるため、暖房器具を使用する際はファンや扇風機で空気を循環させるといいでしょう。室内の空気を循環させることで暖房効率を上げることができます。天井付近の暖かい空気を室内に漂わせることができ、暖かさを維持し続けられるというわけです。吹き抜けのある大きな空間でもシーリングファンを活用すれば、暖かさを常に感じられる生活空間となるでしょう。
3.暖房器具の電気代を節約するには?
暖房器具の電気代を節約するポイントを解説します。
3-1.暖房器具+暖房グッズを併用する
暖房器具だけを使うのではなく、暖房グッズを併用することで電気代節約につながります。たとえば、エアコンと一緒にこたつや電気カーペットを活用するといいでしょう。さらに節約したいなら、暖房グッズとしてひざ掛けや湯たんぽを使うのもおすすめです。また、お湯を沸かして温かい飲み物を飲むことで蒸気で部屋を暖めると同時に、飲み物で体の中から温めることもできるでしょう。外から帰ってくると寒くてつい暖房器具を使いがちですが、暖房グッズも上手に使い節約してください。
3-2.エアコンの設定温度20~22℃
早く室内を暖めるために設定温度を高くしてしまいがちですが、エアコンの設定温度は20~22℃が理想です。エアコンの設定温度を1℃下げるだけでどのくらいの電気代が節約できると思いますか? 「たいしたことない」と思いがちですが、設定温度を1℃下げるだけで約10%もの電気代が節約できるのです。たとえば、25℃設定のエアコン暖房電気代が5,000円だとすると、22℃で3,645円となり405円も節約できます。エアコンは室内全体を暖めるものなので、暖房グッズを活用して設定温度を20〜22℃にしましょう。
3-3.こまめにフィルターを掃除する
エアコンやファンヒーターなどの暖房器具にはフィルターがついています。こまめにフィルターを掃除することで、光熱費の節約につながるのです。フィルターがホコリで詰まってしまうと、余計な電力がかかってしまい光熱費が高くなります。なんと、2週間に1回程度掃除するだけで5%もの電気代が節約できるといわれるほどです。掃除を面倒に感じると思いますが、定期的にフィルターを掃除するように心がけてください。何十年も使用している場合は劣化が考えられるため、買い替えを検討するといいでしょう。
3-4.こまめに温度調節を行う
冷房の場合、こまめな温度調整や電源のオンオフで余計な光熱費を使ってしまいがちですが、暖房ではこまめな温度調節が効果的です。電気カーペットやオイルヒーターを強で運転し続けるよりも、座っていないエリアをオフまたは弱にするなどこまめに温度調節をしたほうが節約につながります。エアコンの暖房も、室内の温度に併せて出力を切り替えるようにしましょう。一部のエアコンには温度によって自動的に出力がオンオフになる機能がついています。タイマーも活用すれば、消し忘れを防ぎ無駄な費用を使わずに済むでしょう。
4.暖房器具を使用する際の注意点
ここでは、暖房器具を使用する際の注意点をいくつか紹介します。
4-1.安全面に注意しよう
暖房器具で最も注意しておきたいのは安全面です。特に、灯油を使用する石油ファンヒーターや石油ストーブなどは、灯油がこぼれてしまい火災の原因につながってしまいます。火力の調節を間違えると火災に発展したり、小さい子どもがヤケドしたりする可能性もあるのです。暖房器具は長時間使用するものなので、周囲に火の気がない場所で使いましょう。灯油を使わない電気タイプでも、熱源部分が赤くなるものはヤケドや発火に注意が必要です。ホットカーペットでも長時間同じ場所に触れていると低温ヤケドの恐れもあるので注意してください。
4-2.定期的な換気を忘れずに
石油・ガスを使用した燃焼系の暖房器具を使用する場合、定期的な換気が必要です。独特なにおいが室内に漂うため、換気をしなければ気分が悪くなる恐れがあります。また、一酸化炭素中毒を引き起こす可能性もあるのです。寒い時期や寒冷地は冷気を室内に取り入れないようにするため、換気をしにくくなります。けれども、1日に1回は換気することが大切です。換気できない場合は、空気清浄機などを活用して新鮮な空気を取り入れてください。
4-3.暖房器具を選ぶならオートオフ機能がついたものを
新しい暖房器具を選ぶときは、なるべくオートオフ機能がついたものを選んでください。オートオフ機能がついているものなら、一定時間が経過すると自動的にオフになります。また、誤って転倒したときも自然とオフになる安全面に配慮した種類を選ぶのが大切です。どの場所に設置するのか・いつどんなときに使用するのかを考えた上で、適切な暖房機器を選びましょう。
5.暖房の効率に関してよくある質問
暖房の効率に関する質問を5つピックアップしてみました。
Q.湿度も調節したほうがいいのか?
A.温度と併せて湿度も上手に調節したほうが暖房効率アップにつながります。電気代節約のために、無理に設定温度を下げてしまっては快適性が失われることになるでしょう。しかし、湿度管理を調節すれば、暖かさを維持しつつ快適性も持続できます。冬場は空気が乾燥しがちなので、室内の湿度を上げることで体感温度も上がり、乾燥対策にもなるでしょう。さらに、湿度が低い環境ではインフルエンザなどの感染リスクも高まります。湿度管理は暖房効率を上げるだけでなく、健康面でも大きなメリットが生まれるのです。
Q.暖房の熱を効率よく簡単にアップする方法は?
A.断熱シートや引っ越しでよく使う暖衝材を使う方法があります。せっかく暖房器具で暖めても外から冷気が入ってくると意味がありません。断熱シートや暖衝材を窓などに貼るだけで、外からの冷たい空気を防ぐことができます。窓に貼る際は、両面テープを使うと剝がれにくくなるのでおすすめです。シートの中には、窓に貼るだけでくっつくものもあります。ホームセンターなどで気軽に購入できるため、利用してみてはいかがでしょうか。
Q.電気プランも見直したほうがいいのか?
A.電気代を節約したい方は、電気プランも見直したほうがいいでしょう。特に、電気は使う時間帯によって電気料金を安く抑えることができます。電力会社によって異なりますが、夜間の電気料金が安くなるプランを活用してください。2016年4月からは電力自由化が始まったので、電気代が安くなったり、サービスを合わせることでお得に使えたりするプランが用意されています。1度、見直しを検討したほうが電気代節約につながるでしょう。
Q.電気代を知る方法は?
A.電気代は消費電力量(kWh)×電気料金単価で分かります。消費電力量は、(消費電力/W×使用時間/h)÷1000という計算式です。暖房器具のカタログや機器本体に表記されている消費電力の数値をチェックしてください。そして、自分が使用する時間を当てはまるだけでおおよその電気代が分かります。自分がどのくらい暖房に電気代を使っているのか把握すれば、効率的な節約ができるようになるでしょう。
Q.暖房効率を上げるためのリフォーム方法は?
A.断熱材や床暖房を導入するなどのリフォームプランがあります。住まいの環境や状況によって適切なリフォームプランが異なるため、まずはリフォームの実績がある業者に相談してください。優良業者の多くは無料相談や無料見積もりを受けつけています。光熱費を節約したい・暖房効率を上げたい・部屋をすぐに暖めたいなど、具体的な要望を伝えることが大切です。さまざまなリフォームを行っている藤ノ家では、無料相談を受けつけています。リフォームを検討している方は、ぜひ1度ご相談ください。
まとめ
暖房の効率を上げるためにできることはたくさんあります。たとえば、体を温める暖房器具と部屋全体を暖める暖房器具を併用することです。それぞれ弱点があるため、弱点を補い合うような組み合わせで使えば暖房効率がアップします。また、暖房器具だけでなく、暖房グッズを活用するのもポイントの1つです。リフォームを行う方法もあるため、どんなときに暖房器具を使うのか・いつどこを暖めたいのか目的をハッキリさせることが大切でしょう。