床に傷がついてしまう原因と放置するリスク〜自分で補修できるのか?〜
床に傷ができてしまうと、気になって仕方がなくなりますよね。何とかしてきれいにしたいけれど、どうすればいいのか悩んでいる方が多いはずです。自分で補修してもうまくできるのか・プロの業者に依頼したほうがいいのか……なかなか判断できません。
そこで、本記事では、床の傷を自分で補修する方法などについて解説します。
- 床に傷がついてしまう原因は?
- 床の傷を放置するリスク
- 床の傷を自分で補修する方法
- 手に負えない場合はプロに依頼する
- 床の傷に関してよくある質問
この記事を読むことで、床に傷ができてしまったときの対処法が分かります。悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
1.床に傷がついてしまう原因は?
初めに、なぜ床に傷がついてしまうのか主な原因をチェックしておきましょう。
1-1.うっかりものを落としてしまった
よくある原因としては、うっかりしてものを落としてしまったケースです。食器・グラス・リモコンなど手に持っていたものを落としてしまい、床に傷がついたりへこんだりしてしまったことはあるでしょう。「しょうがないから……」とそのまま放置してしまいがちですが、軽微な傷やへこみであれば自分で修繕することができます。早めに修繕することで放置するリスクを最小限に抑えられるようになるでしょう。後ほど【2.床の傷を放置するリスク】を説明するのでぜひチェックしてください。
1-2.大型家具などを引きずってしまった
タンスや本棚などの大型家具をじかに置いていると、へこんでしまいますよね。移動させようと思った矢先、床のへこみを見つけたというケースが多いのではないでしょうか。大型家具は重量があるので、ずっと同じ位置に置いているとどうしても床がへこんでしまいます。また、持ち上げられないからと引きずってしまうとその傷がついてしまうので注意が必要です。フローリングの種類や状態によっては、重いものが入っているダンボールを引きずっただけでも傷になってしまうでしょう。
1-3.子どもやペットが傷をつけてしまった
小さい子どもやペットが誤って床に傷をつけることもあります。意図的ではないと理解していても、床に傷やへこみができてしまうとショックですよね。特に、賃貸物件の場合は退去時に不注意でできてしまった傷を自分たちで修復しなければなりません。原状回復の義務があるため、傷がひどくなるほど修繕費用が高くなってしまうことになります。
2.床の傷を放置するリスク
では、床の傷を放置すると、どのようなリスクが生まれるのでしょうか。
2-1.将来の大きな損傷につながる
傷ができたときはほんの小さなものだとしても、時間が経過するたびにどんどん大きくひどくなる可能性があります。床の傷を放置するのは、将来の大きな損傷を引き起こすリスクを高めることと同じです。フローリングは思っている以上にやわらかく、硬質の球状物体の上に乗り上げるだけでもフローリング面上に円形のへこみができます。へこむだけでなく、周辺にひびが生じ、突き板の剝がれを引き起こしてしまうのです。大きな損傷にならないためにも、早めの修繕が必要でしょう。
2-2.放置するほど修繕費用が高くなる
放置するほど損傷箇所がひどく大きくなれば、それだけ修繕費用も高くなってしまいます。早めに修繕すれば数千円で抑えられた傷やへこみでも、放置した結果、修繕費用が数万円になってしまったケースも多いのです。基本的に、フローリングは木材でできているのでへこみ部分に割れが生じると温湿度の影響で損傷部が拡大していきます。さらに、損傷部分にホコリが蓄積されると、湿度が上昇しやすい状態になるため、ダメージが進行することになるでしょう。
2-3.傷やへこみにつまずいたり、ケガをしたりすることも
軽微の傷やへこみなら日常生活にそれほど影響はないと思いますが、状態がひどくなるとケガにつながる恐れがあります。素足の状態で歩くとフローリングの剝がれからケガをしたり、へこみにつまずいて転んだりしてしまうでしょう。特に、足腰が弱い高齢者は日常生活に支障をきたす恐れがあります。安心して生活できない環境になってしまうのも、床の傷を放置するリスクの1つです。
3.床の傷を自分で補修する方法
ここでは、床の傷を自分で補修する方法を解説します。
3-1.軽微な傷は床用ブラッシュペンでカバーする
そこまで目立たない傷の場合、ホームセンター等で販売している床用ブラッシュペンを使って補修できます。細かい傷がついた部分に床用ブラッシュペンで塗るだけという簡単な方法です。サッと塗るだけで傷が目立たなくなります。引っかき傷なども傷部分周辺のフロアと同じ色合いの床用ブラッシュペンを使えば、傷を目立たなくさせることができるでしょう。さらに細かいすり傷なら、床用ブラッシュペンを使わずともワックスがけを行うことで目立たなくなります。
3-2.軽微なへこみ傷と端部の欠け傷を補修する方法
軽微なへこみ傷や端部の欠け傷も床用ブラッシュペンで補修できます。同じ色合いの補習用パテも併用することで、へこみ傷を目立たなくさせることができるでしょう。主な流れを以下にまとめたのでぜひ参考にしてください。
- 傷の周辺を養生テープでカバーする
- 補修用パテを温めて傷部分に埋める
- ヘラで余分なものをすきとる
- 床用ブラッシュペンで木目柄を描く
3-3.自分でフローリング補修ができるグッズを紹介
ホームセンターに行くとさまざまな補修グッズが売られていますが、床の傷やへこみ補修に使える主なグッズをいくつか紹介します。どのグッズを使えばいいのか分からない方はぜひ参考にしてください。
- フローリング用傷かくしテープ:気になる箇所に貼るだけの手軽なテープ
- 傷なおしま専科:深い傷のある箇所に専用のパテを埋めて補修する
- かくれん棒フローリング用:専用のクレヨンを暖めてやわらかくしてから傷の部分に塗りこむ
- 傷消しシート:こするだけで簡単に傷が目立たなくできる
- 住まいのマニキュアミニ:気になる傷の部分にサッと塗るだけでOK
- 傷消しねんど:ねんどをこねて傷口に塗りこんだ後、付属のプレートで整えるだけでOK
3-4.大きな傷やへこみは専門業者に依頼する
自分でDIY補修を行う際に気をつけてほしいのは、大きな傷やへこみは専門業者に相談することです。リフォーム業者では傷の補修を行っていますが、費用がかかるので自分で無理に補修しようとする方がいます。しかし、自分で補修できるのは軽微な傷やへこみだけです。大きな傷やへこみを無理にDIYすると逆にひどくなってしまう恐れがあるので注意してください。状態が悪化すると余計に修繕費用が高くなってしまいます。自分で修繕するのが不安という方も、専門業者に相談してください。
4.手に負えない場合はプロに依頼する
それでは、プロに依頼する方法やポイントを解説します。
4-1.フローリングの補修を行っているリフォーム業者
家中のあらゆるリフォームに対応している業者は、フローリング補修も実績があります。最適な費用で元どおりの床にするために、フローリング補修工事に長(た)けているリフォーム業者を選びましょう。基本的に、以下の傷やへこみは専門業者に依頼するのが無難です。
- 損傷長さが15cm以上または深さが1mm以上
- 深さは1mm以下でも打痕のような円形状の傷
- 損傷が広範囲におよび突き板の交換が必要な場合
- すり傷で色があせた状態
以上の傷やへこみがある場合は、リフォーム業者に依頼したほうが安心です。損傷の程度が中~重度におよぶと専門業者に依頼したほうが良好な仕上がりとなります。
4-2.エポキシパテで埋めて補修する
プロの業者が行う補修方法は、床の状態によってさまざまです。化粧板が剝がれている場合は、カッターやサンドペーパーで表面を整えた後、完全に乾かしてからエポキシパテで埋めて補修することになります。エポキシパテはねんどのような素材でできているため、剝がれた形に合わせて自由に形成できるのが特徴です。パテが乾いた後にサンドペーパーをしっかりとかけることで、きれいな仕上がりとなります。色や木目を復元する際は、塗装を2度塗りするとムラが出ません。
4-3.フローリングの張り替えを行うことも
床の傷がひどく広範囲におよんでいる場合は、フローリングの張り替えを行う可能性があります。また、フローリング自体が古い場合も一部を補修するよりも張り替えたほうが手っ取り早い方法といえるでしょう。ただし、フローリングの張り替えは大がかりな作業となります。既存のフローリングを剝がしてから新しいフローリングを張ることになるため、費用も高額になるでしょう。無垢フローリングの場合は表面のオイルを取り除き、地道にフローリングの表面を削る方法もあります。どの方法がベストなのか床の状態を確認してから決めることになるでしょう。
5.床の傷に関してよくある質問
床の傷に関する質問を5つピックアップしてみました。
Q.アイロンを使って補修できるのは本当か?
A.へこみが比較的浅い傷の場合、アイロンを使用した補修が可能です。アイロンのほかに、タオルまたは雑巾・水を入れたコップを用意してください。主な補修方法の手順は以下のとおりです。
- タオルを水に浸し固く絞る
- 固く絞ったタオルを傷の上に置く
- タオルの上からアイロンをかける。あまり動かさず60秒ほどあてる
- アイロンをタオルから離し、タオルの水分がなくならないようにコップに用意した水を少しずつかけてタオルを再び湿らせる
- 再びアイロンをタオルの上から60秒ほどあてる。これを3回ほど繰り返すと傷が目立ちにくくなる
Q.日常的にできるメンテナンス方法は?
A.フローリングの良い状態を維持するためには、日ごろのメンテナンスは必要不可欠です。ぜひ心がけてほしいのが、年に1~2回のワックスがけとなります。ワックスを定期的にかけることで、保護被膜作用によって傷がつきにくくなるでしょう。また、専門業者にフロアコーティングをお願いする方法もあります。フロアコーティングは樹脂などの特殊な膜でフローリングをコーティングする方法です。施工後はフローリングを張り替えたような美しい仕上がりになるでしょう。
Q.賃貸物件のフローリングを補修する際の注意点は?
A.自分で補修したから退去時に修繕しなくて良いというわけではないという点です。自分で補修したら退去の際にフローリング補修のクリーニング代を支払わなくていいと思っている方がいますが、プロの業者による補修と自分での補修はまったく異なります。費用を最小限に抑えることができるケースもありますが、完全に修理できるわけではないので注意が必要です。
Q.修繕費用はいくらぐらいかかるのか?
A.床の状態や傷の範囲などによって大きく異なりますが、1㎡あたり10,000円前後が目安になるでしょう。時間制で価格を設定している業者もあるため、傷が多い場合は時間制の業者を選ぶのも選択肢の1つです。時間制の場合は、最初の2時間が約2万円~、その後は1時間ごとに4,000円ほどかかります。張り替えにかかる費用は床材によって変動しますが、8畳で約10万~20万円前後になるでしょう。
Q.リフォーム業者選びのポイントは?
A.スタッフの対応が丁寧でスピーディーか・リフォームプランが充実しているか・ホームページに施工事例が掲載されているかなどをチェックしてください。複数の業者を比較することで、優良業者と悪徳業者の見極めがしやすくなります。静岡を中心にリフォーム業を行っている藤ノ家では無料相談を受けつけているので、悩んでいる方はぜひ1度ご相談ください。
まとめ
ものを落としたり、引きずってしまったりといつの間にか床に傷ができてしまい、そのまま放置してしまいがちです。傷を放置するほどひどくなり、手に負えない状態になってしまうことがあります。薄く軽い傷なら、ホームセンター等で購入できる道具を使って自分で補修できるでしょう。ただし、傷が深くひどい場合は、プロの業者に依頼したほうが賢明です。無理に自分で補修してしまうと、さらに傷がひどくなってしまう恐れがあります。業者に依頼する際は、床の傷の補修に長けた業者か確認することが大切です。複数の業者を比較して、安心して依頼できる優良業者を選んでください。