ユニットバスの補修方法を解説! 補修前のチェックポイントや劣化原因も
ユニットバスの劣化症状が見られたら、なるべく早めに補修するのが好ましいとされています。劣化症状を知らずに放置していると、大がかりな補修になってしまい、費用も割高になってしまうでしょう。しかし、どのように補修すればいいのか、どこに依頼すればいいのか分からない方が多いはずです。
そこで、本記事では、ユニットバスの補修方法などを解説します。
- ユニットバスが劣化する原因は?
- ユニットバスの劣化症状について
- ユニットバスの補修方法とチェックポイント
- ユニットバスの補修業者を選ぶポイント
- ユニットバスの補修に関してよくある質問
この記事を読むことで、ユニットバスの劣化症状や業者選びのポイントなども分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。
1.ユニットバスが劣化する原因は?
最初に、ユニットバスが劣化する原因をチェックしておきましょう。
1-1.ユニットバスの耐用年数は約10~15年
使用状況や製品によって異なりますが、ユニットバスの耐用年数は約10~15年といわれています。国税庁によると、ユニットバスの法定耐用年数は建物と同様です。けれども、毎日使うユニットバスだからこそ、使う頻度が多くなればなるほど早くに寿命を迎えてしまいます。特に、10年以上ケアをしていないユニットバスの場合、交換したほうがいいでしょ。ユニットバスの耐用年数は、日ごろの使い方やメンテナンス状況によっても大きく異なります。
1-2.膨張のくり返しで強度が落ちる
膨張のくり返しで強度が落ちてしまうのも、ユニットバスが劣化する原因の1つです。ほとんどのユニットバスは、FRP(繊維強化プラスチック)で作られています。FRPの魅力は補修できる点ですが、樹脂でできているので熱いお湯を浴槽に張ると膨張してしまうのです。お湯を抜くと元の形に戻りますが、浴槽を使うたびにくり返すことになるでしょう。その結果、多くの膨張をくり返すことによって、浴槽自体の強度が落ちてしまいます。
1-3.コーティング効果が弱まる
浴槽は長く使っていると表面のコーティング効果が弱まってしまいます。コーティングは汚れを未然に防ぐ効果を持っているため、効果が落ちるほど汚れが頑固にこびりついてしまうことになるのです。コーティング効果が弱まる=浴槽の劣化と思われがちですが、これは単純に表面の塗装が劣化しているだけなので安心してください。FRP部分は問題がないケースが多いため、塗装をし直すだけで新品同様の状態に戻るでしょう。
2.ユニットバスの劣化症状について
ここでは、ユニットバスの主な劣化症状を紹介します。
2-1.キズとひび割れ
ユニットバスの劣化でよくある症状は、キズとひび割れです。FRPは耐久性に優れている素材ですが、経年劣化によってキズが目立ちやすいデメリットがあります。たとえば、洗面器を落としたり、シャワーヘッドが当たったりするだけでキズができることもあるのです。キズをそのまま放置していると、そこから水分が入り込み、ひび割れにつながってしまう恐れがあります。浴槽のひび割れはケガをする原因にもなるため、早めに補修しなければなりません。
2-2.壁と床でよくある劣化
ユニットバスの劣化では浴槽だけでなく、壁や床にも現れやすいものです。たとえば、壁でよくある劣化症状といえば、穴や剝がれ・亀裂でしょう。ユニットバス自体が水に強くても、土台が水に弱い素材を使っている場合、穴・剝がれ・亀裂が起きやすくなります。一見、小さなひびや穴だとしても、そこから水が浸入してしまい、ユニットバスの裏側にサビやカビが発生してしまうのです。ひどい場合は、ユニットバスから家の構造にまで悪影響を及ぼす可能性があります。また、経年とともに床にも亀裂や穴あきが起きやすくなるので要注意です。
2-3.日常で気づきにくい「膨れ」
ユニットバスの劣化症状はさまざまですが、日常で気づきにくいのが「膨れ」です。前述したように、浴槽が劣化するとお湯を張ってからの膨張が元に戻らなくなってしまいます。最初はほんの少しの膨れだとしても、どんどん状態が悪化してしまい、目で見て分かるほどの膨れになってしまうのです。また、塗装が劣化すると変色が起きることもあります。変色も劣化症状の1つですので、早いタイミングでの補修がおすすめです。
3.ユニットバスの補修方法とチェックポイント
ここでは、ユニットバスの補修方法と事前のチェックポイントを解説します。
3-1.主な補修方法はライニング工法
ユニットバスの主な補修方法として、ライニング工法と呼ばれる方法があります。ライニング工法の大まかな流れは以下のとおりです。
- ひび割れが発生している箇所にFRPシートを当てる
- 不飽和ポリエステル樹脂を塗り込み、FRPシートと同化乾燥させる
- 表面をサイディング(研磨)する
- パテを充填し、表面をフラットに仕上げる
- 塗料を吹き付けて乾燥→完了
簡単に説明すると、既存の浴槽に対して新しい層を上から重ねるイメージです。ひび割れが大きくなっている場合は、FRPシートにコアマットと呼ばれるシートを何枚も重ねる方法があります。このように補修をすることで新品状態に戻すことができますが、高い技術が必要になる作業です。
3-2.ユニットバスの交換
10年以上メンテナンスをしていなかったり、劣化症状がひどかったりする場合は、ユニットバス自体を交換することになります。そもそも、ユニットバスとは、あらかじめ浴室の壁・床・天井・浴槽などのパーツがセットで製造されているもので、それらを施工現場で組み立てるタイプです。劣化がひどいとそれぞれを補修するために費用がかかってしまうため、ユニットバスを丸々交換したほうがお得になるケースもあります。素人では判断しにくいところがあるので、リフォーム業者に相談しながら決めるといいでしょう。
3-3.2種類のコーティング
ユニットバスの塗装には、主に再生を目的としたコーティングと保護を目的としたコーティングがあります。再生を目的としたコーティングは、浴室塗装・再生塗装とも呼ばれる色付きコーティングのことです。リフォームといった大きな補修・修理効果を期待するのであれば、再生コーティングをおすすめします。一方、保護を目的としたコーティングは透明のコーティング剤を使う方法です。表面を覆うことを目的としているため、防カビやクリアコーティングなどとも呼ばれています。そこまで補修する必要がなく今の状態に状態に満足しているのであれば、保護コーティングが最適です。
3-4.補修前にチェックしておきたいポイント
ユニットバスの補修前にチェックしておきたいポイントは以下のとおりです。
- 浴槽・床・壁・天井などに穴あきや剝がれ・ひび割れが起きていないか
- タイル壁に亀裂や剥がれが起きていないか
- 浴槽の縁に細かいキズやひび割れが起きていないか
- 変色が起きていないか
自分の目で確認できる範囲で構いませんので、ユニットバスに異変が起きていないかチェックしてください。少しでも気になる箇所があれば、リフォーム業者に相談することをおすすめします。
4.ユニットバスの補修業者を選ぶポイント
ここでは、ユニットバスの補修業者を選ぶポイントを解説します。
4-1.ユニットバスの補修実績があるか
前述したように、ユニットバスの補修は職人の腕が大きく関係しています。補修を依頼したとしても、「すぐに劣化症状が現れた」といったトラブルが起きているのです。そのトラブルの原因は、ほとんどが施工不良となります。業者側がきちんと劣化の原因を把握せず、適当な補修をしたからこそ、再び劣化症状が発生してしまうことになるのです。ユニットバスの補修はそこまで費用が安くありませんので、きちんと適切な補修をしてくれるリフォーム業者に依頼する必要があります。ホームページ等をチェックして施工事例が記載されているか・実際に利用した人の口コミや評判がいいかどうかをチェックしてください。
4-2.見積書の内容が具体的に記載されているか
ユニットバスの補修を依頼する場合、費用がいくらぐらいかかるのか気になる方は多いでしょう。そこで、必ずチェックしておきたいのが、見積書の内容です。見積書には、どのような補修にいくらかかるのか・どのような素材を使うといくら必要になるのかなどが細かく記載されています。見積書の内容がしっかりと具体的に記載されているリフォーム業者なら、安心して依頼できるでしょう。けれども、見積書の内容がいい加減だったり、きちんと書類にして渡してくれなかったりする業者には要注意です。
4-3.スタッフの対応が迅速で丁寧か
リフォーム業者にユニットバスの補修を依頼する場合、スタッフの対応にも注目してください。悪徳業者のほとんどは、スタッフの対応が悪く、反応や返信も遅い傾向があります。顕著に分かりやすいのは、電話対応でしょう。電話対応が悪いリフォーム業者は悪徳業者の可能性が高いので注意しなければなりません。逆に、きちんと丁寧に説明をしてくれる・どのような相談にも親身になって話を聞いてくれるスタッフなら、安心して依頼できるでしょう。丁寧なリフォーム業者ほど、急なハプニングが起きた場合でも迅速に対応します。
5.ユニットバスの補修に関してよくある質問
ユニットバスの補修に関する質問を5つピックアップしてみました。
Q.ユニットバスのひび割れが起きやすい場所は?
A.浴槽の追い焚(だ)き口周辺はひび割れが生じやすい場所です。お湯を温めるための吹き出し口になっているため、どうしても膨張しやすくなってしまいます。また、長年使用しているうちに、ユニットバスの浴槽には皮脂の汚れや水垢がこびりつきやすくなるものです。汚れを放置するほど傷みやすく、ひび割れが発生しやすくなるので注意しておかなければなりません。たとえ、細いひび割れだとしても放置するのはNGです。
Q.ユニットバスの補修はDIYできるのか?
A.軽度の症状であれば、耐熱アルミテープを貼るなど自分で補修する方がいますが、あくまでDIYでできるのは応急処置程度です。アルミテープを貼って補修したとしても、浴槽の表面も一緒に剝がれ、さらに劣化症状が悪化してしまう恐れがあります。適切な補修がなされないと状況が悪化してしまうので、DIYではなくリフォーム業者に相談するのがおすすめです。
Q.ユニットバスの補修にいくらぐらいかかるのか?
A.あくまで目安となりますが、ひび割れ補修で約4万円~、浴槽全体の再塗装で約10万円かかるでしょう。補修と塗装の両方を合わせると、約10万~20万円となります。また、ユニットバス全体を交換リフォームする場合は、100万円以上かかることもあるでしょう。劣化症状によって費用が異なるため、事前に見積書をしっかりとチェックしてください。
Q.補修費用を最小限に抑えるコツは?
A.どのような劣化症状であっても、すぐに補修を行うことです。劣化症状を放置すればするほど悪化してしまい、補修費用が高くなってしまう恐れがあります。また、日ごろから掃除をしたり、カビを発生させない工夫を施したりすることも大事です。ユニットバスにカビを発生させないためには、お風呂を沸かす際に浴槽にフタをしたり、家族の入浴が終わったらお湯を抜いたりしましょう。
Q.地元密着型リフォーム業者の特徴は?
A.気軽に相談しやすいメリットがあります。大手業者とは違い、工事も下請け業者に依頼するのではなくその業者だけでリフォームを進めるところがほとんどです。そのため、どんなに小さなことでも相談できますし、何か不具合が起きた際にはすぐに対応できます。静岡市を中心にリフォームを行っている藤ノ家は地元密着の工務店ですので、お悩みの方はぜひ一度ご相談ください。
まとめ
ユニットバスの耐用年数は約10〜15年だといわれています。10年以上メンテナンスをしていなかったり、ユニットバスにひび割れや剝がれなどが生じたりしている場合は、なるべく早めに補修しなければなりません。ユニットバスの補修は職人の腕にかかっているため、リフォーム業者選びも重要です。複数のリフォーム業者を比較しながら、実績があり、信頼できる業者に依頼してください。そして、劣化症状に最適な方法で補修を行いましょう。