省エネリフォームとは? 補助金制度や申請時に注意しておきたいポイント

省エネリフォームを検討しているけれど予算がない……と悩んでいる方は多いでしょう。

そんなときこそ、国や自治体が出している補助金を利用すべきです。補助金が利用できる条件や限度額は決まっていますが、上手に利用できれば最小限の費用で省エネリフォームを行うことができます。

そこで、本記事では、省エネリフォームの概要や補助金を利用するコツなどを解説しましょう。

  1. 省エネリフォームとは?
  2. 省エネリフォームに使える国の補助金
  3. 自治体で利用できる減税制度・補助金
  4. 省エネリフォームに関してよくある質問

この記事を読むことで、省エネリフォームに使える国の補助金や、自治体で利用できる減税制度も分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。

1.省エネリフォームとは?

最初に、省エネリフォームとはどのような内容なのか、基本情報をチェックしておきましょう。

1-1.省エネルギーで住宅の快適性が上がる

最近、注目されている省エネリフォームとは、省エネルギーで住宅の快適性をアップすることを目的としたリフォームです。地球温暖化が進んでいることにより、エネルギー源が枯渇しています。限りがあるエネルギー源の枯渇を少しでも抑制するために、省エネルギーでできるリフォームが注目されているのです。「少ないエネルギーでリフォームはできるのか?」と疑問に思いますが、断熱性能を向上させたり、省エネ設備を導入したりするなど、さまざまな方法があります。

1-2.省エネリフォームの種類は3つ

大きく分けると、省エネリフォームの種類は全部で3種類あります。断熱性能・日射遮蔽性能の向上と省エネ設備の導入について、詳しくチェックしていきましょう。

1-2-1.断熱性能の向上

代表的な省エネリフォームといえば、断熱性能を向上させることを目的としたリフォームです。断熱性能を高める方法は、たくさんあります。たとえば、外気が侵入しやすい窓やドアの断熱性能を高めることです。建物の中で外気の影響を受けやすい窓や玄関の断熱性能を高めることで、省エネで断熱効果がアップできます。そのほか、内壁を剝がして柱の間などに断熱材を取り入れたり、床の断熱工事をしたりするなど多種多様です。

1-2-2.日射遮蔽性能の向上

窓や屋根から入り込む日差しの熱を抑えるのも、省エネリフォームの1つです。日差しによって室内の温度が上昇しますが、その影響を抑えることでエアコンの効率アップにもなります。窓の省エネリフォームにおいては、遮熱タイプの窓に交換するなどの遮蔽対策が可能です。屋根における遮蔽リフォームとしては、屋根に断熱材を導入したり、遮熱塗料を塗ったりするなどの方法があります。

1-2-3.省エネ設備の導入

省エネリフォームの一種として、省エネ設備の導入があります。省エネ設備といえば、エネファームやエコキュートといった高確率給湯器が代表的です。通常の給湯器よりも熱効率が高い点が特徴で、省エネ性能に優れているのでエネルギー消費量が大幅に削減できます。そのほか、1回の水量を抑制した節水トイレを設置したり、断熱性能を備えている断熱浴槽に交換したりするのも方法の1つです。
また、エネルギーを作り出すことができる創エネシステムを導入する方法もあります。創エネルギーと呼ばれている創エネは、太陽光パネルを屋根に設置してエネルギーを作り出す太陽光発電などがあり、注目を浴びている省エネリフォームです。

1-3.省エネリフォームのメリット・デメリット

省エネリフォームを上手に行うためには、メリットとデメリットの両方を把握しておく必要があります。リフォームを行ってから後悔することのないように、それぞれの特徴をチェックしておきましょう。

1-3-1.快適な暮らしと節約

省エネリフォームの大きなメリットは、生活が快適になることです。建物の断熱性能が向上するため、結露が発生しにくい環境になり、カビやダニの発生抑制につながります。寒暖差で引き起こされるヒートショックの予防にもなるでしょう。さらに、エネルギー消費量の節約になるのも、省エネリフォームのメリットです。

1-3-2.費用が高い

省エネリフォームのデメリットは、通常のリフォームよりも費用が高くなることです。もちろん、リフォームを行うことで月々のエネルギー消費量が抑えられ、ランニングコストはお得になります。けれども、断熱材や省エネ設備など、省エネリフォームに使う材料や設備には高額な費用が必要です。だからこそ、少しでも費用を抑えるために、国や自治体が設けている補助金を上手に活用していきましょう。

2.省エネリフォームに使える国の補助金

ここでは、省エネリフォームに使える国の補助金を解説します。

2-1.先進的窓リノベ事業

2023年から、新しい補助金・助成金制度がスタートしました。その1つが、経済産業省・環境省が制定している「先進的窓リノベ事業」です。この補助金制度は、断熱窓への改修促進を図り、省エネルギー住宅の増加を目的としています。そのため、補助の対象となっているのは窓のリフォームだけです。リフォーム工事だけの対象ですので、新築は対象外となります。なお、対象となる窓の性能基準も「熱貫流率」と細かく決まっているため、事前に公式サイトをチェックしておかなければなりません。ちなみに、主な要件は以下のとおりです。

  • 対象世帯:全世帯
  • 対象工事:住宅の所有者がリフォーム事業者に発注して実施するリフォーム工事
  • 対象住宅:戸建て住宅および共同住宅(集合住宅)
  • 対象期間:令和5年12月31日に工事請負契約を締結し、工事が完了すること
  • 補助金上限額:200万円/戸

2-2.こどもエコすまい支援事業

国土交通省から出ている補助金制度です。子育て世帯や若者夫婦世帯を対象に、省エネ性能を有する新築住宅の取得や省エネ改修などへの支援を目的としています。対象となるリフォームは幅広く、住宅のリフォームはもちろん、注文住宅の新築や住宅の購入時にも利用できるのが特徴です。窓・ドアの断熱、外壁・屋根・天井・床の断熱、エコ住宅設備の設置など、リフォーム内容もたくさんあります。詳細は、公式サイトをチェックしてください。なお、対象となるリフォームの工事条件は、以下のとおりです。

  • 契約日は問わない
  • リフォームの着工が令和4年11月8日以降であること
  • リフォーム工事の完了が令和5年12月31日までであること
  • 住宅の所有者が発注者であること
  • 対象のリフォーム工事であること
  • 申請する補助額の合計が5万円以上であること

2-3.給湯省エネ事業

経済産業省が制定している補助金で、高確率給湯器の導入を支援します。高確率の給湯器は導入費用が高額になるため、住宅の省エネルギー化を促進することが目的です。そのため、対象となる省エネリフォームは、給湯器だけとなります。リフォーム工事と新築どちらとも利用できますが、補助の対象は高確率給湯器だけである点が特徴です。補助額は、給湯器の種類によって異なり、1台あたり5万~15万円となっています。戸建て住宅と共同住宅では、申請できる給湯器に台数制限があるので注意しておかなければなりません。詳細は、公式サイトをチェックしてください。

2-4.住宅省エネ2023キャンペーン

先進的窓リノベ事業、こどもエコすまい支援事業、給湯省エネ事業の補助金は、2023年より併用が可能になりました。その名も「住宅省エネ2023キャンペーン」として、家庭部門の省エネを推奨することが目的です。それぞれ単独でも利用できますが、キャンペーンを利用することでさらにお得になる可能性があります。なお、キャンペーンの補助対象と補助上限額は下記のとおりです。詳細は、キャンペーンサイトをご覧ください。

補助対象

  • 先進的窓リノベ:持家・賃貸等のリフォーム
  • こどもエコすまい:子育て世帯・若者夫婦世帯だけ新築、持家・賃貸等のリフォーム
  • 給湯省エネ:持家・賃貸等の新築とリフォーム

補助上限額

  • 先進的窓リノベ:新築は不可、リフォームは工事内容に応じて5万~200万円/戸
  • こどもエコすまい:新築の補助額上限は100万円/戸、リフォームは工事内容と世帯属性に応じて5万~60万円/戸
  • 給湯省エネ:設置する給湯器に応じて、5万円または15万円/台

3.自治体で利用できる減税制度・補助金

ここでは、自治体で利用できる減税制度と補助金について詳しく説明します。

3-1.自治体の補助制度も利用する

各自治体でも、省エネリフォームを対象とした補助制度があります。たとえば、札幌市の場合、住宅エコリフォーム補助制度の利用が可能です。都道府県内または市町村内の事業車に工事依頼するなどの条件が決まっています。また、東京都世田谷区では、環境配慮型住宅リノベーション推進事業補助金や雨水浸透施設に関する助成制度など、内容も多種多様です。自分が住んでいる地域でどのような補助制度があるのか、ぜひチェックしてみてください。なお、自治体の補助制度については、支援制度検索サイトで調べることができます。

3-2.所得税と固定資産税の減税

省エネリフォームの減税制度としては、所得税と固定資産税の減税が中心となります。毎年1月1日~12月31日までに発生した個人の取得に対して課される所得税としては、住宅ローンの減税が主な減税制度です。10年以上の住宅ローンを利用している場合、中古住宅をリフォームする際に一定の条件を満たしていれば、最大10年間、年末における住宅ローン残高の0.7%が所得税から控除されることになります。
そして、固定資産税の減税では、一定のリフォーム工事が終わった後、工事完了から3か月以内に市区町村へ申告すれば固定資産税の減額を1年度分受けることができる制度です。ちなみに、省エネリフォームは、軽減額が3分の1となります。ほかにも、譲与税の非課税措置などもあるので、自治体の窓口に相談してみるといいでしょう。

3-3.地域密着型のリフォーム業者に相談する

省エネリフォームの補助金や減税制度について、自治体の窓口に相談するほか、リフォーム業者に相談するのもおすすめです。特に、地域密着型のリフォーム業者は、その地域を対象としている減税制度・補助制度に詳しい傾向があります。より適切なアドバイスを受けることができるでしょう。なお、静岡市を中心にリフォームを行っている藤ノ家では、無料相談を受け付けています。省エネリフォームでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

4.省エネリフォームに関してよくある質問

省エネリフォームに関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.省エネリフォームをする前にチェックしておきたいことは?
A.現在の住宅に、どのような不満を抱いているのか明確にすることです。省エネリフォームといってもさまざまな種類があるので、どのリフォームが現在の問題点を解消できるのか考える必要があります。省エネリフォームの目的がハッキリとしておけば、工事もスムーズに進めることができるでしょう。

Q.省エネリフォームの費用はいくらぐらいか?
A.主な省エネリフォームの費用は、以下のとおりです。

  • 断熱リフォーム:4,000~8,000円/1㎡
  • 日射遮蔽リフォーム:2万~8万円
  • 省エネ設備の導入:約10万~50万円

費用はリフォーム内容によって異なるため、リフォーム業者に問い合わせて確認してください。

Q.補助制度を申請する際の注意点は?
A.補助制度によって要件が定められているほか、それぞれ申請期間が異なるので注意してください。受付期間内に申請を行わなければ、適用不可になってしまいます。また、ほとんどの補助制度は、工事開始前に申請を行うことになるでしょう。どのようなタイミングで申請を行わなければならないのかも、併せてチェックしておく必要があります。

Q.国と自治体の補助金は併用できるのか?
A.各自治体の補助金と、国費が当てられている制度との併用はできません。それ以外でしたら併用できる可能性があるので、詳細は自治体の窓口やリフォーム業者に相談してみてください。併用できる補助制度があれば、利用したほうがお得に省エネリフォームが行えるでしょう。

Q.リフォーム業者選びのポイントは?
A.リフォーム業者の選び方で悩んだ際は、以下のポイントに注目してみてください。

  • リフォーム内容を幅広く扱っているか
  • リフォーム実績があるか
  • スタッフの対応が丁寧でスピーディーか
  • どのような質問にも分かりやすく丁寧に答えてくれるか
  • 無料相談や無料見積もりを受け付けているか
  • 見積書の内容が具体的に記載されているか
  • 口コミや評判がいいか

まとめ

いかがでしたか? 省エネリフォームを行う際は、国や自治体が出している補助制度に注目してみてください。補助金を利用できる要件やリフォーム内容は限定されていますが、該当すれば費用を最小限に抑えることができます。また、リフォーム業者選びも大切なポイントです。リフォーム実績があり、どのような質問にも分かりやすく答えてくれる業者なら安心できるでしょう。なお、藤ノ家では無料相談を受け付けているので、省エネリフォームでお悩みの方はぜひご相談ください。

え?リフォームでここまで出来るの!?