耐震リフォームをお考えの方へ! 主な判断基準や補助金・減税制度も!

「大地震に備えて家を耐震リフォームしたいけど、どんな方法があるのだろう」「耐震リフォームで使える補助金や減税制度を詳しく知りたい」とお考えではありませんか?

いつ大地震がやってくるか分からない今、家の耐震リフォームは必要不可欠ですよね。しかし、どこをどんなふうにリフォームすべきか、どんな補助金や減税制度を利用できるのかなど、よく分からないこともあるでしょう。

そこで今回は、耐震リフォームについて詳しく解説します。

  1. 耐震リフォームの定義は?
  2. 耐震リフォームにはどんなものがある?
  3. 耐震リフォームが必要かどうかの判断基準
  4. 耐震リフォームに使える補助金制度
  5. 耐震リフォームに使えるローン・融資制度
  6. 耐震リフォームに使える減税制度
  7. 信頼できるリフォーム業者選びのポイント
  8. 耐震リフォームに関するよくある質問

この記事を読むことで、耐震リフォームの方法や利用可能な制度などがよく分かります。家の耐震リフォームをお考えの人は、記事を読んでみてください。

1. 耐震リフォームの定義は?

最初に、耐震リフォームの定義について見ていきましょう。

1-1.耐震リフォームとは?

耐震リフォームとは、建物が地震の影響によって倒壊しないように補強し、建物への影響を極力抑える方法になります。地震のゆれを軽減するわけではなく、あくまでも建物をゆれに耐えられる状態にリフォームするのが特徴です。耐震リフォームの主な種類は、この記事の「2.耐震リフォームにはどんなものがある?」を参考にしてください。

1-2.制震リフォームや免震リフォームとの違いは?

耐震リフォームと似たようなものに、制震リフォームや免震リフォームがあります。それぞれの内容については、以下をご覧ください。

1-2-1.制震リフォーム

制震リフォームとは、地震のゆれを吸収して小さくすることで建物への影響を軽減する方法のことです。具体的には、柱と柱の間に油圧ダンパーを設置することで、地震のゆれを吸収する仕組みになっています。また、屋内に設置された家具が倒壊するのを防ぐ効果があるのも特徴です。なお、制震リフォームでは、地震以外に、強風や台風などによるゆれを軽減することもできます。

1-2-2.免震リフォーム

免震リフォームとは、地震のゆれを逃がすことで、建物への影響を抑える方式のことです。具体的には、建物の基礎部分にゴムやベアリングなどを設置することで、地面と建物の間にゆれを逃がす仕組みになっています。既存の建物を免震リフォームする場合、建物全体をジャッキで持ち上げる必要があるため、工事の難易度が上がる、工期が長引く、費用がかさむなどの点がデメリットです。

2.耐震リフォームにはどんなものがある?

耐震リフォームにはどんなものがあるか、詳しく見ていきましょう。

2-1.筋交いや構造用合板による補強

耐震リフォームの一つに、筋交いや構造用合板による補強があります。建物の外壁や内壁をいったん解体して柱を露出させた後、それぞれの柱の間に筋交い・、耐力壁・ダンパーなどの構造用合板を設置するやり方です。寝室やリビング・子ども部屋といった特定の部屋だけ耐震リフォームすることも、可能になります。

2-2.外付け鉄骨フレームによる補強

外付け鉄骨フレームによる補強も、耐震リフォームの一つです。外付け鉄骨フレームによる補強は、建物の外側に鉄骨フレームを取り付けることで、耐震性を高める方法になります。建物の外側に取り付けることから、敷地内にある程度の余裕が必要です。なお、屋外での作業となるため、普段どおりの生活を送りながらリフォームできます。

2-3.耐震壁の設置による補強

耐震リフォームの種類には、耐震壁の設置による補強も挙げられます。たとえば、室内に新たな壁を追加したり、既存の壁を補強したりする方法です。この方法も建物を取り壊すことなく耐震リフォームを進めることができ、工事費用を抑えることができます。地震のゆれに対し、構造上特に大きな負荷がかかる場所に耐震壁を設置すると効果的です。

3.耐震リフォームが必要かどうかの判断基準

耐震リフォームが必要かどうか、どんな基準で判断すればよいか解説します。

3-1.築30年以上

築30年以上の建物は、耐震リフォームが必要なケースが多くなります。古い建物の多くは、現在の耐震基準を満たしておらず、震度5強程度の地震でも倒壊する可能性があるからです。築30年以上経過した建物は、そのほかにも経年による素材の劣化などにより老朽化が激しく、さまざまな不具合が出てきます。耐震リフォームと同時に、気になる点もリフォームを行うことを検討してみるとよいでしょう。

3-2.自然災害に遭ったことがある

自然災害に遭ったことがある建物も、耐震リフォームを検討すべきでしょう。過去の自然災害により、大きなダメージを受けているからです。たとえ、当時に大きな被害がなくても、見えない部分にダメージを受けている可能性があります。さらに、経年などによる劣化が加われば、想像以上に危険な状態になっていることもあるでしょう。今後も安心して暮らし続けるためには、耐震リフォームが必要です。

3-3.外壁や基礎などに傷んでいる場所がある

外壁や基礎などに傷んでいる場所がある建物は、耐震リフォームを行っておくべきです。普段の生活では特に支障がなくても、地震により大きな被害につながることがあります。地震は想定以上に大きな力が建物に加わるため、傷んでいる場所や傷みの程度によっては、一気に倒壊してしまう可能性もあるでしょう。思わぬ被害に遭わないためにも、傷んでいる場所をきちんと耐震リフォームしておくことが重要です。

3-4.壁面が少ない

壁面が少ない建物は耐震性が低いと判断できるため、耐震リフォームを検討するとよいでしょう。たとえば、壁に窓を大きく配置している建物は、耐震性が低くなります。また、1階部分がピロティ構造になっている建物も耐震性に疑問が残るため、耐震リフォームを検討することがおすすめです。

3-5.大規模なリフォームを行ったことがない

今まで大規模なリフォームを行ったことがない建物も、耐震リフォームが必要な可能性があります。大規模なリフォームを行ったことがあれば、建物を隅々までチェックしているので、問題点などを把握し改修しているはずです。しかし、大規模リフォームを行っていない場合は、大きな問題が未発見のままになっている可能性があります。特に、築年数が古い家は、要注意です。

4.耐震リフォームに使える補助金制度

耐震リフォームには、自治体による補助金制度が使えることがあります。

4-1.自治体による耐震リフォーム補助金制度が使える

耐震リフォームを行う際、自治体による補助金制度を利用できることがあります。自治体によって利用条件が異なりますが、申請する自治体に住民票があることが基本です。また、居住用の家屋であること、住民税などの滞納がないことなども条件となるでしょう。より詳しい内容については、各自治体のホームページなどで確認してください。

4-2.自治体の耐震リフォーム補助金制度でもらえる金額は?

自治体の耐震リフォーム補助金制度を利用すると、数万~数十万円程度の補助金を受けることができます。ただし、耐震リフォームにかかった全額が補助されるわけではありません。また、自治体が指定した基準を満たしている必要があります。まずは、申請前にどんな条件の耐震リフォームで補助金制度を利用できるか、詳しく調べてみることが大切です。

5.耐震リフォームに使えるローン・融資制度

耐震リフォームに使えるローンや融資制度について、詳しく見ていきましょう。

5-1.住宅金融支援機構による融資制度

耐震リフォームには、住宅金融支援機構による融資制度を利用できます。

利用条件(すべての条件を満たすことが必要)

  • 住宅に耐震改修工事を行う
  • 年間合計返済額の割合が一定の基準を満たしている
  • 申請時に満79歳未満
  • 日本国籍の方または永住許可などを受けている外国人など

融資の対象となる工事

  • 認定耐震改修工事もしくは耐震補強工事

融資限度額

  • 1,500万円

返済期間

  • 20年もしくは年齢による最長返済期間

そのほか、より詳しい内容については、住宅金融支援機構のホームページを参考にしてください。

5-2.各金融機関による耐震改修ローン

各金融機関でも、耐震リフォームを行う際に耐震改修ローンを利用できることがあります。通常の貸付金利よりも低く、有利な条件で利用できるのが特徴です。ただし、担保や保証人の提出を求められることもあり、必ずしも融資してもらえるとは限りません。なお、審査基準は、金融機関ごとに大きく異なります。より詳しい内容を知りたい場合は、各金融機関に相談してみてください。

6.耐震リフォームに使える減税制度

耐震リフォームを行うと、各種減税制度を利用できてお得です。

6-1.所得税の控除

耐震リフォームを行うことで、所得税の控除を受けることができます。具体的な内容は、以下を参考にしてください。

控除限度額

  • 標準的な工事費用相当額の10%まで

主な適用要件

  • 申請者が居住用に使用する家屋
  • 昭和56年5月31日以前の建築
  • 改修前の家屋が現行の耐震基準に適合しない

より詳しい内容は、国道交通省の耐震改修促進税制の説明パンフレットをご覧ください。

6-2.固定資産税の減税措置

耐震リフォームを行うことで、工事完了年の翌年度分について固定資産税の減税措置を受けることもできます。具体的な内容は、以下のとおりです。

減税対象となるリフォーム

  • 家屋に行われた一定の耐震改修工事

減税内容

  • 家屋にかかる固定資産税

そのほかのより詳しい内容は、国道交通省の耐震改修促進税制の説明パンフレットをご覧ください。

7.信頼できるリフォーム業者選びのポイント

耐震リフォームを依頼する場合、以下のポイントを満たした業者に依頼すると安心です。

7-1.耐震リフォームの実績が豊富にある

耐震リフォームの実績が豊富にあることが、業者を選ぶ第一のポイントです。耐震リフォームの実績が豊富な業者は、あらゆるケースのリフォームを行ってきているため、臨機応変に対応してもらえます。また、専門知識も豊富なので、心強いのもメリットでしょう。たとえば、何か疑問に感じたこともにも、分かりやすく回答してもらえるので安心です。

7-2.丁寧な作業や高品質な仕上がりで定評がある

丁寧な作業や高品質な仕上がりで定評があることも、業者を選ぶときの重要なポイントです。耐震リフォームで十分な効果を得るには、丁寧な作業により確実に工事する必要があります。その点、信頼できる業者では、決して手抜きすることなく作業し、高品質な仕上がりになるので確実です。

7-3.現場視察や見積もりは無料

耐震リフォームは、現場視察や見積もりを無料で行っている業者を選ぶとよいでしょう。たとえ数千円程度でも、有料と無料では、コンタクトするハードルの高さが随分違います。現場視察や見積もりを無料で依頼できる業者のほうが、はるかに親しみやすく、何でも相談できるものです。実際に、評判のよい業者は、無料で現場視察や見積もりを行い、多くの場合で正式な契約に進んでいます。

7-4.リーズナブルで分かりやすい料金システム

信頼できる業者には、必ずリーズナブルで分かりやすい料金システムがあります。耐震リフォームといっても、個々の状況により工事場所や作業内容などまったく異なるため、明確な金額を提示しづらいのも事実です。しかし、信頼できる業者では、依頼者に不安を感じさせないよう明確な料金システムがあり、見積もりの際に納得できる説明を受けることができます。しかも、リーズナブルな金額なので、安心です。

7-5.希望の工期に合わせてもらえる

希望の工期に合わせてもらえるのも、信頼できる業者の特徴です。信頼できる業者は、常に顧客の都合を最優先して工期を設定しています。耐震リフォームは、屋内で行う作業も多いため、依頼者が在宅する必要があることが多いものです。そのため、なるべく都合のよい工期に合わせてもらえると助かります。一方、工事費用が安い業者の中には、工期を一切指定できないところもあるので注意が必要です。

7-6.スタッフが親切で顧客からの評判もよい

スタッフが親切で顧客からの評判がよいことも、信頼できる業者の特徴といえます。信頼できる業者は、スタッフの教育に力を入れており、接客マナーや専門知識をしっかり教えているものです。実際に、顧客からの評判も上々で、終始気持ちよく取り引きできます。耐震リフォームでは、スタッフとのやり取りが少なくとも数回は発生するはずです。余計なストレスを感じず、気持ちよく取り引きするためにも、スタッフが親切で顧客からの評判がよい業者を選びましょう。

7-7.補助金制度や減税制度などで豊富な知識がある

耐震リフォームを依頼するなら、補助金制度や減税制度などで豊富な知識を持っている業者を選びましょう。業者が豊富な知識を持っていれば何かと相談できるほか、うっかりミスにより支給もしくは控除対象外になることを防ぐことができます。現場視察や見積もりなどを依頼する際に、補助金制度や減税制度について相談してみて、豊富な知識による的確な回答が得られるか、きちんとチェックしておきましょう。

7-8.保証やアフターフォローが充実している

保証やアフターフォローが充実している業者なら、耐震リフォームが完了した後でも何かと安心できます。耐震リフォームが完了しても、何らかの点が気になったり、質問が出たりすることもあるでしょう。また、耐震リフォームは、完了後も定期的にメンテナンスを行うことで、最大限の効果を発揮できるものです。保証やアフターフォローが充実している業者なら、きちんと対応してもらえるので安心できます。

8.耐震リフォームに関するよくある質問

最後に、耐震リフォームに関する質問に回答します。それぞれ参考にしてください。

Q.耐震リフォームを行っておけば大地震の際にも被害に遭わない?
A.断言できません。地震の大きさやゆれ方などによっては、耐震リフォームを持ってしても、被害を避けることができないことがあります。しかし、被害を最小限に抑えることは可能です。

Q.高額な耐震リフォームを行ったほうが安心できる?
A.単にリフォーム費用が高額なだけでは、安心できるとはいえません。的確な内容の耐震リフォームをしっかり行っているからこそ、いざというときに安心できるのです。たとえば、高額な費用を支払っても、業者が手抜きをしていれば、耐震リフォームの意味がまったくないこともあるでしょう。

Q.耐震リフォームを行った後でも補助金を申請できる?
A.基本的にはできません。補助金制度の多くは、支給基準に合致するか審査を受ける必要があることから、事前申請が必要になるからです。工事内容や工事期間が支給要件を満たしていても、事前申請・事前承認が得られない場合は、補助金を受けられないので気を付けましょう。

Q.現場視察や見積もりを依頼した業者と必ず契約すべきか?
A.契約義務はありません。現場視察や見積もりは、どんな耐震リフォームが必要か、どれぐらいの工期・費用がかかるか、目安を知るためのものです。たとえば、提示された内容や金額に納得できない、業者の対応に不満があるといった場合もあるでしょう。現場視察や見積もりで納得できない場合は、正式な契約を見合わせても構いません。

Q.トイレや浴室も耐震リフォームしておくほうがよい?
A.トイレや浴室が古く、十分な耐震性がない場合はリフォームにより耐震性を高めておくとよいでしょう。トイレや浴室を使用しているときに大きな地震が起こることもあるからです。

まとめ

今回は、耐震リフォームについて詳しく解説しました。地震大国の日本では、建物の耐震リフォームは必要不可欠です。耐震リフォームをきちんと行うことで、安心して過ごせる家作りができます。特に、築30年以上など、耐震性に不安が残る建物は、そのままだととても危険です。信頼できる業者へ早めに相談して、耐震リフォームを進めるとよいでしょう。なお、耐震リフォームには各種補助金や融資・減税制度を利用できることがあるので、併せて活用してみてください。

え?リフォームでここまで出来るの!?